朝起きるとお腹がすいていたり、時計を見なくても「そろそろお昼かな?」と大体の時間が分かりますよね。
それは、私たち人間には1日24時間のリズム時計(体内時計)が備わっているからです。
その体内時計が毎日、きちんと24時間のリズムで動くために重要なのがセロトニンとメラトニンの2つのホルモンです。
この記事では、セロトニンとは何か?メラトニンとは何か?体内時計を調整する2つのホルモンについて説明していきます。
コンテンツ [非表示]
「体内時計とは?」
体内時計は、ほぼ24時間周期でリズムを刻んでいます。
朝になると、自然に目が覚め、夜のなると眠くなってくるのは、この体内時計のおかげです。
そして、体内時計は、セロトニンとメラトニンの2つのホルモンによって調整され、毎日、正確なリズムで動いています。
「セロトニンとは?」
セロトニンは、別名「幸せホルモン」とも呼ばれている神経伝達物質です。
楽しい気持ちやうれしい気持ち、光や運動によって分泌されます。
また、セロトニンには、興奮性の神経伝達物質であるノルアドレナリンやドーパミンなどの過剰分泌を抑える作用があり、緊張を抑え、気持ちを安定させてくれます。
気持ちを安定させるうえで重要な役割を担うセロトニンですが、もう一つの重要な役割が体内時計の調節です。
セロトニンは、朝、朝日を浴びることで分泌がスタートし、日中にかけて分泌量が増えていきます。
セロトニンが分泌されることで、血圧や体温が上昇し、体も脳も活動モードとなり、日中活動できるようになります。
そして、セロトニンは、夕方以降、暗くなってくると、分泌されなくなり、代わって、メラトニンが分泌されるようになってきます。
「メラトニンとは?」
メラトニンは、別名「睡眠ホルモン」と呼ばれている睡眠には欠かせない重要なホルモンです。
メラトニンは、朝起床してから14時間後に分泌がスタートし、2時間で分泌のピークに達し、朝が近づくにつれて、分泌されなくなります。
しかも、メラトニンの分泌量は、セロトニンによってコントロールされており、日中に分泌されたセロトニンの量が多いほど、夜に分泌されるメラトニンの量が増えます。
メラトニンには、深部体温(体内部の体温)を下げる作用があり、この作用によって、眠気が起こり、スムーズな睡眠を促してくれます。
「セロトニンとメラトニンが24時間のリズムを作る!」
朝日を浴びることで分泌されるセロトニン。
一方、朝起きて14時間後の夜に分泌されるメラトニン。
もし、朝、起きる時間が大きくズレて、お昼ごろになってしまったら、どうなると思いますか?
お昼に起きると、朝日は浴びることはできないので、セロトニンは、あまり分泌されないまま夜を迎えてしまいます。
そして、メラトニンも、昼頃起きているので、分泌されるのは、夜中になり、しかも、日中に分泌されたセロトニンが少ないので、少ししか分泌されません。
こうなってくると、夜の眠気が起こらず、なかなか夜寝つくことができなくなってしまいます。
最悪は、あまり眠ることができずに朝を迎えてしまいます。
もうお分かりですよね。
そう、セロトニンがしっかり分泌されないと、夜のメラトニンも分泌されず、眠れない。
眠れないから、朝起きようにも体がだるくて起きれない。
すると、また、セロトニンがしっかり分泌できなくなってしまう。
この繰り返し、悪循環ですね。
しかも、メラトニンは、起きてからきっちり14時間後に分泌がスタートし、朝明るくなってくると、分泌がストップしますので、起きる時間がズレると、分泌されている時間が短くなります。
つまり、朝起きて、夜眠るという体内時計が狂い、そのうち、1日24時間のリズムも保てなくなっていきます。
「朝日を浴びてセロトニン、メラトニンをしっかり分泌しよう!」
セロトニンは、朝日を浴びることによって分泌がスタートします。
一方、メラトニンは、起床してから14時間後に分泌がスタートします。
ですので、セロトニン、メラトニンをしっかり分泌するためには、朝起床し、朝日を浴びることが重要です。
朝日を浴びると言っても、外に出る必要はありません。
寝室のカーテンを開けて、太陽の光を取り込むだけでOKです。
また、夜、パソコンやスマートフォンなどから発せられるブルーライトやコンビニなどの明るい光を浴びると、せっかく分泌されていたメラトニンが分泌されなくなります。
夜、ぐっすり眠るために、朝起床し、カーテンを開けて、太陽の光を部屋に取り込みましょう。
休日だからと言って、お昼まで寝てしまうと、体内時計が狂うことにつながってしまいますので、休日でも、いつもと変わらない時間に起床するか、2時間ぐらいの差で起きるようにしましょう。
そして、夜は、コンビニなどの明るい場所に出かけるのは避け、睡眠1時間前になったら、パソコンもスマートフォンもやめて、眠る準備をしましょう。