睡眠に対して悩みのある方の中には、睡眠薬は即効性もあるし、効果も証明されているけど、依存性や副作用の問題があるので、睡眠薬は極力使いたくないと思っておられる方も多いのではないでしょうか。
そして、薬以外の方法を探している方もおれるのではないでしょうか。
例えば、枕や布団を変えてみたり、睡眠に良いとされる生活習慣を取り入れてみたりと様々な対策を試しておられる方もいれば、即効性はなくても継続して摂取することで効果が期待できる睡眠サプリメントの使用を検討されている方もおられることと思います。
ただ、睡眠改善が期待できるサプリメントを探していると様々な成分、様々な睡眠サプリメントが販売されていて、一体、どれが良いのか迷ってしまいませんか?
本当に効果があるのかと疑ってしまいませんか?
この記事では、睡眠サプリメントに配合されている成分のうち、ギャバ(GABA)を取り上げ、ギャバと睡眠の関係について説明していきます。
ギャバ(GABA)は睡眠に良いの?
「遠足とか修学旅行の前日など興奮してなかなか眠ることができなかった。」
「試験の前日など緊張して眠ることができなかった」といった経験はありませんか?
睡眠は、体だけでなく、脳も休む休息タイムです。
ですので、興奮したり、イライラしていたり、緊張していたりすると、なかなか眠ることが出来なくなってしまいます。
眠ることができたとしても、睡眠が浅く、途中で何度も目が覚めてしまったり、朝起きた時にスッキリしない状態になってしまいます。
ギャバは、ノルアドレナリンやドーパミン、グルタミン酸などの興奮性の神経伝達物質の過剰分泌を抑え、気持ちを落ち着かせてくれます。
また、自律神経の1つである副交感神経の働きを活発にすることで、心拍数の上昇を抑え、血管を拡張し、体をリラックス状態に導いてくれます。
つまり、ギャバは、心身共にリラックスさせることで、眠りを誘発し、睡眠にスムーズに入れるように導いてくれます。
実際、GABAを摂取すると、心身がリラックスしていることを示すα波(脳波)の出現頻度が増えることが確認されています。
だだ、サプリメントとしてギャバを摂取した場合、ギャバが直接、脳に作用することはありません。
なぜなら、食事も含め体外から摂取されたギャバは、血液脳関門(脳を守るために物質の通過を制限している機能)を通過することができないからです。
え!じゃあ、いくら頑張ってギャバを取っても、睡眠は改善されないってこと?
いえ、いえ、そうではありません。
実は、ギャバが結合するGABA受容体は、脳だけでなく、腸にもあります。
ですので、食事やサプリメントなど体外から摂取されたギャバは、脳ではなく、腸にあるGABA受容体に結合し、脳へ信号を送ります。
腸からの信号が脳に伝わると、脳で神経伝達物質としてのギャバが沢山作られ、神経の高ぶりや緊張を抑えてくれるギャバのリラックス効果を発揮し、眠りを促してくれます。
日中に摂取したギャバ(GABA)でも睡眠を良くすることができる!
睡眠を改善したい場合、寝る前にギャバを摂取しないと効果がないと思っていませんか?
そして、食事から十分量のギャバが摂取できているにも関わらず、睡眠前にサプリメントを服用してギャバを摂取していませんか?
実は、日中に摂取されたギャバでも夜の睡眠を良くすることができます。
実際に、昼間にギャバを1週間摂取した群とプラセボ群(GABAを飲んでいないことは知らせていません)を比較した研究において、床についてから入眠するまでの時間がGABA摂取群では5分早く入眠状態に入っていること、そして、睡眠の深さもGABA摂取群では深くなっていることが確認されています。
このように、日中に食事として摂取したギャバにも夜の睡眠を良くする効果があるので、別にサプリメントにこだわらなくても、トマトやなす、カボチャ、ミカンやぶどう、発芽玄米などGABAを多く含む食品を積極的に食事メニューに取り入れることによって、夜の睡眠を良くすることも可能です。
サプリメント摂取の前に、まずは、毎日の食生活を見直してみてはいかかでしょうか?
「まとめ」
ギャバが持っている抗ストレス作用は、睡眠と深い関わりがあり、睡眠の質を向上するだけではなく、スムーズな入眠を得ることが出来ます。
即効性こそありませんが、睡眠薬に頼りたくない人、睡眠薬に抵抗感のある人は、ギャバを食事から摂取して睡眠を改善させる方法もあることを念頭に入れ、ほかの方法も含め、検討してみてはいかがでしょうか。